2018/02/18
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牧草に関する一考察
うさぎの飼育にとって、切っても切り離せない「牧草」
キャロットハウスも開業から早6年たち、牧草に関してさまざまな
相談が寄せられるようになりました。
そこで、備忘録を兼ねて、記事を書きたいと思います。
<チモシーのほかに与えられる牧草はありますか?>
うさぎが食べる牧草といえば、チモシーが一般的ですが、
幼齢期の食の好みや飼育環境により、チモシーが嫌いなうさぎ
かなりみられます。
「チモシー1番刈りシングルプレス」が販売量も多く、買い求めやすいですが、
ほかにも牧草の種類がありますし、いつ刈り取ったかによっても好みは違ってきます。
では、まずはチモシー以外の牧草にどんなものがあるのか見ていきます。
- イタリアンライグラス(ネズミムギ)
イネ科の一年草もしくは二年草。再生力に優れていて成長も早い。
- ・オーツヘイ(エンバク・えん麦)
イネ科の一年草。おもに飼料用に栽培されているが、近年の健康志向の高まりから
食用としても注目されています。また、猫草として販売されているものもオーツヘイが
多い。また実はおやつとしても販売されている。
- オーチャードグラス(カモガヤ)
イネ科の多年草。寒いところでは育ちにくい。
- バミューダグラス(ギョウギシバ)
イネ科の多年草。こちらは牧草というよりも、庭地の芝生として使われることが多い。
もし、ラビットランを作るなら、植えてみてもいいかも。
チモシーと同じイネ科の牧草では以上となります。
イネ科ではなく、マメ科の「アルファルファ」も、幼齢期に
与える牧草として、よく飼育書にもとりあげられています。
- アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ、ルーサン)
マメ科の多年草。酸性土壌では生育しにくい。
栄養価に富む。
成分の比較
以下の表は『日本標準飼料成分表(2009年版)』から必要な箇所を引用しています。
なお、成長過程や品質により、成分表示が異なるため、全サンプル平均のものをとりあげます。
輸入乾草 | 乾物中% | 粗たんぱく質 | 粗脂肪 | 粗繊維 | 粗灰分 | カルシウム | |
4950 | アルファルファ | 全サンプル平均 | 19.1 | 2.0 | 28.3 | 10.0 | 1.33 |
5011 | オーツヘイ | 全サンプル平均 | 6.3 | 2.2 | 30.7 | 6.5 | 0.22 |
5021 | イタリアンライグラス | 6.2 | 1.5 | 32.2 | 6.2 | 記載なし | |
5041 | チモシー | 全サンプル平均 | 8.1 | 2.3 | 34.3 | 7.1 | 0.31 |
5061 | バミューダグラス | 8.9 | 1.6 | 24.7 | 7.9 | 0.52 |
上記文献に輸入品イタリアンライグラスの数値が掲載されていなかったので、国内乾草の数値だと、0.5%~0.6%
なので参考にして頂ければと思います。
この数値を見る限りでは、オーツヘイ・イタリアンライグラス・バミューダグラスも十分チモシーの代用として使えます。
アルファルファに関しては、やはり粗たんぱく質、カルシウムともにほかの牧草に多いのがわかりますね。
幼齢期にアルファルファを与えている子には、食の嗜好の偏りを防ぐため、チモシーなどの牧草もしっかり与えてください
牧草の成長過程による成分の比較
さて、牧草は成長過程のどの段階で刈り取るかによっても、若干成分は異なってきます。
以下の表は国内生産の乾草を成長段階によって成分表示されたものです。
前項の表は輸入乾草のもので、数値はかなり変わるところもありますが、
おおまかな傾向として掴んでいただければ幸いです。
乾草(国内品) | 乾物中% | 粗たんぱく質 | 粗脂肪 | 粗繊維 | 粗灰分 | カルシウム | |
3541 | チモシー | 1番草出穂前 | 15.0 | 4.0 | 26.5 | 11.3 | |
3542 | チモシー | 1番草出穂期 | 10.1 | 2.8 | 33.6 | 7.6 | 0.49 |
3544 | チモシー | 1番草開花期 | 8.0 | 2.2 | 36.2 | 5.9 | 0.25 |
3545 | チモシー | 1番草結実期 | 7.0 | 2.5 | 38.5 | 8.1 | |
3546 | チモシー | 再生草出穂前 | 12.9 | 3.2 | 25.4 | 8.8 | |
3547 | チモシー | 再生草出穂期 | 9.8 | 2.8 | 33.3 | 7.3 | 0.44 |
傾向としては、成長につれて粗たんぱく質・粗脂肪・粗灰分が減り、粗繊維が増えるのがわかります。
これはイタリアンライグラスやオーツヘイでも同じような傾向となります。
「オーツヘイは太りやすい」との話をときどき耳にしますが、データを見る限り、輸入乾草のオーツヘイ
であれば、それほど成分値が高くないので、気にする必要がないと思います。
ただし、おやつで販売されている「実」の部分は非常に栄養価が高いので、与えすぎると肥満のもとに
なります。小型の品種のうさちゃんなら1日ひとつまみ程度にしておくべきです。
牧草の与え方について
牧草の与え方については、常時食べられる状態にするのが基本です。
おおよその食の傾向としては、葉の部分を先に食べ、茎の部分は最後に食べる傾向にあります。
そのまましつこく茎の部分を1日置いておくと、仕方なく食べる子もいれば、全く食べない子もいます。
それぞれの食傾向を観察して、もししつこく置いていれば硬い茎を食べる子であれば、
追加する牧草のペースをずらしてみてください。
また、「ペレット」を食器入れにてんこ盛りにされている方、今すぐやめてください。
ペレットの量は、うさぎの品種や体重にもよりますが、ネザーランドドワーフ・ホーランドロップあたり
なら、1日あたり30gくらいで十分だと思います。(あくまで私的見解です。)
また気がついたことがあれば、注記したいと思います。
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商品紹介
キャロットハウスで取り扱っている牧草の一覧です。
- 緑の牧草(チモシー1番刈り)
- 青の牧草(チモシー2番刈り)
- 紫の牧草(チモシー3番刈り)
- WOOLYセレクト牧草 オーツヘイ
- WOOLY高原のイタリアンライグラス(350g完売)
- OXBOW ボタニカルヘイ・オーチャードグラス・アルファルファ