2018/02/18
うさぎの飼い方よりも問い合わせが多い、うさぎの体調について。
6年以上常時30羽ほどのうさぎを飼育してきて、
やはり体調の見極めについては今も結構神経をとがらせています。
うさちゃんの大きさ、食生活によって、うんちの色や大きさは変わってきますが、
おおよその大きさを別のものに例えるならば、節分の時に食べる豆程度の大きさに
なるかと思います。
まず、体調が悪くなると、うんちの大きさが米粒程度になる、または全くでなくなります。
「あれ、朝は元気だったのに、夕方元気がないな」ということも往々にしてあります。
ウンチが出ない場合は、まず胃腸疾患を疑う
胃腸疾患以外のほかの病気の場合は、傾向的にはそれほど急激な病状悪化はみられませんが、
こと胃腸疾患に関しては、飼い主さんが発見した時点で、早期の動物病院への受診をおすすめしています。
胃腸疾患が起こる原因としては、急な温度変化や高い湿度によるストレス、
ペレットの変更やおやつの追加などの食事内容を変えること、
不消化繊維の不足によるもの、異物の飲み込みなどが考えられます。
また厄介なのが、原因がはっきりしないこともあります。
人間でも、いつもどおり過ごしているのに「あ~なんか体調悪いな…」という感じです。
下痢の場合は、通常より異なる悪臭を出すので、わかりやすいですが、
便秘(うっ滞状態)の場合は、見過ごしてしまうこともあります。
この場合、うさぎの体内では、ガスが発生し、胃や腸に溜まったり、
腸内に住む細菌叢(さいきんそう)のバランスが崩れたりしています。
また、体温の低下が起こることもあります。
(画像真ん中の大きな丸い空洞がガスになります)
また、自分の毛を抜いて飲み込んでしまった場合や、布やカーペット類を飲み込んだ場合は、
胃腸内にこれらがとどまる事で、体調不良を引き起こします。
治療の最善の方法は、はやく受診することです
では、ウンチが出ない、または下痢をしている場合、どのようにすればいいか。
日中なら、迷わず「動物病院へ行ってください」
では、時間外の場合はどうすればいいか。
まずは腹部を冬に使うペット用ヒーターなどで温めること。
腹部のマッサージは、くれぐれもギュッギュッと握らないこと。
手のひらで優しくさする程度で。
ペレットや糖分やタンパク質の高いおやつ(麦類のものなど)はやめ、
牧草のみにする。
注意していただきたいのは、強制給餌を行うかどうか。
完全に閉塞している状態で行うとよくないので、受診が先です。
また、緊急処置的に以前処方された「プリペランシロップ」などの
薬を与えるといったことも考えられますが、ベストな選択ではありません。
日頃から気をつけておきたい食生活
便秘や下痢、軟便を繰り返すうさぎは、おおよそ食生活に問題がある場合が多いです。
日頃から以下のことに気をつけてください。
- 牧草中心の食生活とする。ペレットは控えめに
(ペレットをてんこ盛りにして与えるのだけは絶対にやめてください。) - 場合によっては、乳酸菌等のサプリメントをあげる
(うさぎの胃腸内は酸性度が高いので、与えても意味がないという説もあります。
与えてみて、何らかの改善が見られた場合は、効果があると認められますが、
完全に便秘等を防いでくれるわけではないです。) - タンパク質を多く含むおやつ(麦類でできたもの)は避ける
いかがでしたでしょうか?
うさぎが繊細でデリケートたる所以は、体調の変化に常に気をつけなくては
ならないところから来ています。
いつまでもみなさんの愛兎が元気で長生きしてくれることを切に願っています。